目次
- 極上!坂井市名物「三国港越前がに」
- 身がみずみずしい!水ガニ
- 三国港越前がにはなぜ美味しいのか?
- 三国港越前がにの美味しい食べ方
極上!坂井市名物「三国港越前がに」
最高品質「三国港越前がに」
「三国港越前がに」は、福井県で水揚げされたオスのズワイガニの中でも毎年皇室に献上される高級品!福井県内の港で水揚げされたオスのズワイガニは、産地の証明としてカニの脚に黄色いタグが取り付けられますが、三国港で水揚げされたもののうち基準を満たすカニには「献上品質」のタグが付けられます。中でも大きさの基準を満たしたものは「越前がに極(きわみ)」として認定された特上品。毎年11月6日から3月20日まで漁が行われます。越前がには体の大きいオスだけでなく、11月6日から12月末までの約2ヶ月間は、セイコガニと呼ばれるメスも水揚げされます。セイコガニは、なんといってもそのお腹にある卵で、プチプチとした触感の外子が特徴です。甲羅の中にある鮮やかな朱色のかたまりの内子は「赤いダイヤ」と呼ばれ、ほっくりとした歯触りととろけるような旨みが、食通の間では特に珍重され人気があります。
全国的に珍しい夕競り!
通常、競りは早朝に行われますが、三国港では夕競りといって18:00に行われます。夜中出港した船は、翌日の夕方までに帰港し、18:00には市場で競りが行なわれ、その日の夜に県内外の各地に発送されます。つまり、他の港で早朝に競りが始まる頃には、三国港のカニが全国に届いているのです。この夕競りを見学できる「夕競りガイド」は、県内で唯一開催されているツアー。前半は夕競りのガイドを無料開催。後半のオプショナルツアーは有料で、越前がにの目利き、剥き方の実演、試食などを実施します。
身がみずみずしい!水ガニ
ほとんど出荷されない貴重な水ガニ
カニの旬の時期に三国港へ来たなら、ぜひ味わいたいのが水ガニ!水ガニとは脱皮直後のオスガニのことで、2月19日から3月20日までが漁期ですが、ほとんど出荷されない貴重な存在です。柔らかい殻と水分を多く含んだ身が特徴で、殻から簡単に身が取れる上に値段もお手頃です。
三国港越前がにはなぜ美味しいのか?
美味しさの秘密は
「豊富なエサ」
三国港で水揚げされる「三国港越前がに」は、三国港沖や石川県との県境沖辺りが主な漁場。海底深くに生息するカニは、潮の複雑な流れの中で豊富なエサを食べ、甘くひきしまった肉質に成長します。
三国港越前がにと
ふくい甘えびを獲って48年!
平野さんにインタビュー
三国港越前がにの漁は、夜中に出港して港から35km辺りで漁をして、翌日の夕市に合わせてに戻ります。この漁場の近さがカニの鮮度と美味しさに繋がります。私は、やはり茹でて何も付けずシンプルに味わうのが一番美味しいと思いますね。漁協のこれからの展望としては、資源を守って長く漁をしていきたいです。この港に並ぶ漁船の数も、私が子どもの頃は42隻あったのが、今は9隻になってしまいました。カニの生態はまだ分かっていないこともあり、現状では養殖もできません。ですから2018年に、国が地域の農林水産物や食品をブランドとして保護する「地理的表示(GI)保護制度」に登録されました。GIに登録されているズワイガニは、全国で福井だけです。こうやって福井のカニの価値を高めて、限りある資源を大切にしていきたいと思っています。
三国港機船底曳網漁業協同組合
代表理事組合長 平野一美 さん
三国港越前がにの美味しい食べ方
茹で、焼き、刺身、
食べ方いろいろ!
三国周辺で「三国港越前がに」を味わう前に、日本のカニ料理の基礎知識を解説します。まず、知っておくと便利なのが、お店でよく見かける「カニ酢」と「カニ味噌」。お店で茹でガニを注文すると付いてくることの多い「カニ酢」は、だしのきいた甘みのあるお酢です。一方、「カニ味噌」は濃厚で独特の風味があります。カニの身をカニ酢やカニ味噌につけて食べると、身の甘みや旨味がより一層引き立ちます。ぜひ試してみてください。それでは、カニの食べ方について、代表的なものをいくつかご紹介します。
〇茹でがに
シンプルな調理法ですが、塩と茹で加減の調整が難しく、産地だからこそ熟練の技術と鮮度によって美味しい茹でがにが味わえます。
〇かに刺し
鮮度の良いカニが手に入る産地ならではの食べ方です。身は花が開いたように広がり、口に入れるととろけます。
〇焼きがに
香ばしい匂いが食欲をそそり、水分を飛ばすので旨味が凝縮されます。
〇かに鍋
カニとともに、ネギや葉物、きのこなどを入れ、だしで煮込みます。カニと野菜から出ただしは、強い旨味が感じられます。
三国港越前がにが味わえる宿!
「お宿あらや」のご主人に
インタビュー
三国港越前がにが美味しいのは、三国沖の水深が深く、海底に泥が堆積してカニの好漁場になっているからです。三国港で水揚げし、競りにかけ、生きたまま近隣のお店に届きます。カニは鮮度が命。旨味成分が多い分、死ぬとすぐに傷みます。かといって船上で冷凍すると味が落ちて、せっかくのカニ味噌が食べられなくなります。だからカニ一杯丸ごと味わえるのは、生きているカニが手に入る産地だけの魅力なのです。もう一つ、セイコガニもおすすめです。資源保護のため、1年のうち11、12月の2か月しか食べられません。外子や内子、そして内子の周りにカニ味噌があり、これが本当に美味しいです。
「お宿あらや」ではメインの三国港越前がにをお客様にお見せしてから調理しますが、これは客室数の少ない宿ならでは。
そして、これほど質のいいものに、手を加える必要はありません。シンプルな調理法で、本場ならではのカニの美味しさを堪能してください。
東尋坊三国温泉 お宿あらや
荒川哲弥さん