





悠久の祈り、舞に宿る日向神楽。
福井県指定無形民俗文化財『日向神楽(ひゅうがかぐら)』は、宮崎から伝わり300年以上にわたり坂井市丸岡町で受け継がれてきた伝統芸能です。
日向神楽の歴史
日向神楽は、神話「天岩戸(あまのいわと)」を題材にした舞で、もとは日向国(現在の宮崎県)にある延岡藩で、万治3年(1660年)、祖父の50回忌を機に延岡藩主・有馬康純(ありま やすすみ)が神楽を奉納させたことが起源とされています。
この神楽が遠く離れた丸岡に伝わったのは、元禄8年(1695年)のこと。康純の子で延岡城主であった有馬清純(ありま きよすみ)が丸岡藩に移封された際、舞人(ぶじん)を伴って丸岡城下の諸社に神楽を奉納させたことに始まります。
有馬家が丸岡藩主を務めていた時代、祖先の霊を慰め、領内の安寧と五穀豊穣を祈って、丸岡城下の各神社で日向神楽の奉納が続けられていました。
しかし、日向神楽は丸岡藩直属の舞人によって奉納されていたため、明治4年(1871)の廃藩置県により途絶してしまいます。
その後、明治15年(1882)に丸岡町長畝の有志が神楽用具を受け継ぎ、奉納が再開されました。現在は「長畝日向神楽保存会」が伝統を守り、毎年9月の長畝八幡宮例大祭で奉納を続けています。
日向神楽の演目
日向神楽は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸に閉じこもり、再び外へと導き出されるまでの神話「天岩戸神話」を題材とした神楽です。
日向神楽の演目は、天照大御神が岩戸に閉じこもってから外に連れ出されるまでを表す夜神楽と、天照大御神が外に出て世の中に光が戻った喜びを表す昼神楽に分かれています。
現在は16種類の舞が継承され、その中でも「問(とい)」、「柴引(しばひき)」、「手力雄(たちからお)」、「戸取(ととり)」、「眞ノ舞(しんのまい)」、「策(むち)」、「注連(しめ)」は岩戸七番と呼ばれ大切にされています。
information
開催日 |
・夜神楽 2025年9月20日(土)17:00~ ・昼神楽 2025年9月21日(日)14:00~ |
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場所 |
長畝八幡神社 (住所:福井県坂井市丸岡町長畝46-19) |
駐車場 |
臨時駐車場をご利用ください。 ・実盛堂駐車場 (福井県坂井市丸岡町長畝46-19) ・クラレファスニング株式会社駐車場 (福井県坂井市丸岡町長畝56) |
主催 | 長畝日向神楽保存会 |
日向神楽伝承館 |
日向神楽伝承館では、江戸期の衣装や神楽面のレプリカなど数百点を展示しています。 入場料:無料 |